はじめの講演は、妊娠しやすい体づくりのための食事に関するお話「栄養と妊娠力」。講師は、佐藤 雄一先生(産科婦人科舘出張佐藤病院院長)でした。
妊活のためにどんな食生活が望ましいかという話はよくでるけれど、結局「栄養をつけてね」というアバウトな話になってしまう事が多い、と切り出した佐藤先生。今回は具体的なお話をしてくださいました。
まず、前提として佐藤先生が目指しているのは「Optimal Health」。
Optimal Health(オプティマルヘルス)とは「健康診断で異常がなかった=健康」ではなく、その年齢で最高レベルの健康状態を保つこと。
栄養だけではなく、精神面も健やかで、運動もとりいれて最高レベルの健康を保つことを目的としています。
ミチルさん:
「病気ではないことが、健康というわけではない」という考え方ね。私も本物の健康を目指すわ!
三大要素のなかで、特に大切なのはタンパク質
三大栄養素とは炭水化物、脂質、そしてタンパク質。
このうち、主なエネルギー源になるのは炭水化物と脂質、そして心と体をつくるのがタンパク質だと佐藤先生は言います。
偏食や外食で、炭水化物と脂質ばかりの食事になってしまう女性が多いのです。でも、それでは単にエネルギーをとっているだけ。健やかな体と心のためにはタンパク質が欠かせません。
ミシルくん:
体だけじゃなく、心もつくるという考え方が興味深いね。
大切なのは三つが一食の中にバランスよく入っていること
たとえば、今日は焼き肉(タンパク質と脂質)をがっつり食べて、翌日はそうめん(炭水化物)のみというバラつき。ありがちですが、これではタンパク質が蓄えられず意味がないのだそう。一回の食事の中に毎回タンパク質(肉、魚、卵、大豆製品などのいずれか)が入るように意識しましょう。
日本人の多くが「隠れ貧血」
もう一つ、女性で多いのが貧血です。疲れやすい、たちくらみがする、イライラする、湿疹が治らないなどは貧血の可能性もあります。この貧血、健康診断のヘモグロビンの数値だけではわからない「隠れ貧血」というのがあるそうで、実は日本人の6〜8割は、この隠れ貧血なのではないかと言われているそうです。
ミチルさん:
6〜8割も!!私もそうかもしれないわ。きをつけなくちゃ。
人の体は、ヘモグロビンとして血液の中で働いていない予備の鉄分を、体の様々な場所に保管しています。ヘモグロビンはかろうじて足りているけれど、予備の鉄分が少なくなってしまった状態が隠れ貧血です。疲れやすいなどの症状に現れることもあります。隠れ貧血かどうかは、フェリチンという値を調べることでわかるのですが、一般的な健康診断ではヘモグロビンしか調べない為に見つからないのです。
貧血と不妊の関係性は今のところわかっていませんが、お腹の中で赤ちゃんを育てるためには、鉄分はとても大切な役割を果たします。貧血のままだと、未熟児になることもあるのです。
ミチルさん:
妊娠前から貧血はではない状態を保つことが大切なのね。隠れ貧血になっていないか、一度きちんと調べておくと安心ね。
ミシルくん:
いよいよ次は、卵巣機能にまつわる栄養の話だよ。
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