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東尾理子さんが取得した「ピア・カウンセラー」とは?孤立しがちな不妊の方の心のサポートをめざして。

先日、東尾理子さんがご自身のブログで「ピア・カウンセラー」に認定されたと発表していました。東尾さんが不妊の体験をブログや本で公開していることは有名ですね。

5月24日(日)に「働く女性のための妊活セミナー2015」というイベントのおしゃべり会で、ファシリテーターとしてピア・カウンセラーデビューされたそうです。

ところで、ピア・カウンセラーとは どのような活動をしている人達なのでしょうか?

ママ友はすぐできるけど、TGPについて語る場は少ない

東尾さんはご自信の体験をとおして、不妊について語れる場所が少ないと感じていたそうです。それなら、自分が話を聞いたり、同じような環境の人たちとおしゃべりをして少しでも明るく過ごしてもらう事ができれば。そう思ってカウンセラーの勉強を開始しました。

TGPというのは東尾理子さんの著書『「不妊」じゃなくて、TGP』という本で伝えている、東尾さんの造語です。

「不妊の『不』はネガティブだから、TGP(=Trying to Get Pregnant。”妊娠しようとがんばっている”の意。」とのこと。この気持ち、「なかなか授からない」という状況を経験した方なら共感できる部分が大きいのではないでしょうか。

確かに不妊は病気ではないし、女性だけの問題でもありません。人間は体質が一人一人違うのだから、子どものできるタイミングや、できるかどうか自体も含めて、個性の一つとも考えられます。

それでも「不妊」とう言葉から私たちが連想するものはどうしてもネガティブで、触れてはいけないことのように思い込んでいるのかもしれません。
そして、不妊中の方は、女性としての自信を失ってしまったり、「こんなに頑張っているのになぜ?」と悲しくなってしまったり。自分の想いだけではどうにもならないことだからこそ、見えない出口を探して、一人で頑張ってしまう人が多いのです。

既に子どもがいる女友達や姉妹に相談する気になれないのも無理はありません。そんなときに心強いのは、第三者の人、それも同じような気持ちや体験を経験してきた人なのでしょう。

ミチルさん:

気持ちを話せる人が周りにいないというのは、とても苦しいものね。

ピア・カウンセリングとは

ピア(peer)とは仲間、同等という意味。つまり、ピア・カウンセリングとは、仲間同志によるカウンセリングという意味で、1970年代初めにアメリカでうまれました。共通点を持っている人たち同士が、あくまで対等な仲間として、励まし合い、話を聞き、助け合う方法の一つです。

たとえば、アルコール依存症の方の苦しみや葛藤を一番よく知っているのは、アルコール依存症の人たちですよね。依存症を経験してきた人がカウンセラーとなることで、中毒から解放されるために、お互いに支えあい、励ましあうことで、新しい発展が期待できます。

東尾さんが勉強されたのも、この「ピア・カウンセリング」を行う「ピア・カウンセラー」です。 認定されたのはこちらで、NPO法人Fineが主催しています。

ミシルくん:

ピア・カウンセラーは不妊以外にも、障害や病気や介護など、様々なところでその必要性が注目されてきてるんだ。

一人で抱え込まずに、まずは自分の気持ちを伝えて自分らしくいれる場所が大切

以前、「病院で相談したけれど、事務的な回答しかもらえず、突き放された気がしてとても傷ついた。」という話を聞いた事があります。もちろん病院にもよると思いますが、体の不調ではなく”苦しい状況の相談にのってほしい”ということなら、お医者さんではなく、カウンセリングを利用するのが良いでしょう。

カウンセリングは不妊治療を行っているクリニックで併設している場合もありますし、東尾さんの例のようにNPO法人や団体で実施しているものもあります。また都道府県など行政が実施しているものもあります。

よくアメリカの映画ではカウンセリングのシーンが出てきますが、日本では「個人的な悩みを他人に相談するなんて!」といった雰囲気の方が強いのかもしれません。でも、妊活・不妊などデリケートな問題こそ、第三者に聞いてもらった方が、自分の気持ちを正直に解放して自分らしくいられるのではないでしょうか。

厚生労働省のリスト見ると、カウンセリングを実施している施設は思っていたよりもたくさんあるんだなと感じました。一人で抱え込まずに、こういった施設を利用することで、気持ちがふっと軽くなるかもしれませんね。

ミチルさん:

本当は、もっと明るく前向きに、不妊や妊活について話ができる社会になったら良いのになーと思うわ。不妊は恥ずかしいと感じたり、劣等感を感じるようなことじゃないもの。

ミシルくん:

そうだね。それには社会の不妊に対する正しい知識と理解が不可欠だけど、まだ少し時間がかかりそうだね。
それまでは、相談しづらい、ハードルが高いなんて思わずに、軽い気持ちで、カウンセリングやおしゃべりをする会に参加するのも良いと思うよ。